ここでは、精神障がいを持っている方や高齢で身体機能に支障をきたし療養されている方々が、長期に渡って入院されています。
私たちの仕事は、生活の自立への援助が中心です。それは、身の回りのことから、家族への支援、そして、社会復帰に向けてなど幅広くあります。また、人生の最後の終焉を迎える方などに対する関わりも重要な役割となっています。
そのためには、職員は、ひとりで仕事をやっているという気持ちではなく、いろいろな職種との関わりを持ちながら、患者様が求めている、その人らしい幸福に向けて、協働してお手伝いをすることが大切だと考えます。
実際の現場は、日々、食事、排泄、清潔、ADLの維持、向上などが主な援助になっています。また、精神科看護・介護を中心に、感染症や重篤な病状に陥ったり、慢性的な疾患を持つ患者様に合わせたケアなどが重なります。
いずれにしても、本来病院は長く人が住む場所ではありませんが、帰る家がない、受け入れてくれる人・場所がないなどの理由から、余儀なくこの病院で過ごされている方々が多くいらっしゃいます。
その方々の訴えとならない訴えに耳を傾け、人として人生を送るに適した療養環境を提供していくことが、医療施設に求められているものであり、重要課題でもあります。
できるだけ、住んでいた場所にもどる、地域に戻る、人間らしい生活が送れる場所に戻る、それを目指していくことが大切だと考えています。
お互いが人間として、未熟者同士であり成長過程です。何か問題だと思うこと、悩んでいること、どんなことでもお互いが共有し、改善し、患者様の療養環境とともに、職員の労働環境を整え、共に成長し、患者様、ご家族様に還元できるよう努めてまいりたいと考えています。
大多喜病院
看護部長 太田誠治